吉野熊野国立公園・大台ヶ原山は奈良県と三重県にまたがる山です。
高低差は少なく、初心者でも登れる日本百名山として人気があります。
高所にあるため気温は涼しく、コース上は普段見られないような独特の景色を楽しめます。
ショートカットコースもあるので、途中で引き返すことも可能なのは敷居が低く、初心者おすすめの山です。
道は整備されているところが多いため、登山靴でなく、ウォーキングシューズで歩いても問題ないでしょう。
但し、日本屈指の降雨量があるエリアなので、雨具(レインウエア)は必ず持ち歩くようにしましょう。
また、大台ヶ原は1500メートルと高所にあるため、軽度の高山病の症状が出る場合もあります。無理はしないようにしましょう。
大台ヶ原は東大台コースと、事前申請が必要な西大台コースがあります。
長年の登山好きの友人が、「大台ケ原の景色はすごくいい」と話していて、個人的にずっと気になっていました。
その後本格的に登山を始め、ずっと行きたかった大台ヶ原東大台コースに行ってきたので見所を紹介します。
大台ヶ原山へのアクセス(大阪方面から)
バス

公共交通機関で行く場合は、橿原神宮前駅東口からバスに乗り、大台ヶ原バス停で下車します。
大台ヶ原へのバスの運行期間は4月下旬から11月下旬まで。
1日1便程度しかなくバスでのアクセスは少し難しいです。
車

滞在時間に幅を持たせるためにも、車やタクシーで向かうのが良いでしょう。
車の場合は大台ヶ原ドライブウェイを通行することになります。
こちらは通行止めになる場合もあるので、出発前には運行状況を確認するようにしましょう。
ウォーキングの出発点は大台ヶ原ビジターセンター駐車場になります。
駐車場は200台以上を収容できる広大なスペースがあります。


ウォーキング開始前に寄りたい大台ヶ原物産店

大台ヶ原のウォーキング(登山)コースの拠点は、多くの本に大台ヶ原ビジターセンターという建物が紹介されています。
しかし、ビジターセンターは食事施設ではなく、登山前の食事は大台ヶ原物産店で行えます。
食堂以外にも、登山用品(モンベル製品)や柿の葉寿司などの食料品、お土産を販売しています。
そのため、ウォーキング開始前の拠点には大台ヶ原物産店に寄るのがオススメです。

食事は簡易的なものですが、行動前に炭水化物は大切なのでうどんを注文しました。
大台ヶ原山・東大台のウォーキングルート

東大台ウォーキングコースの歩行時間は約4時間です。
時計回りと反時計回りに回るルートがあり、どちらを使うかは自由です。
どちらのルートも道は整備されており、標識も豊富なので安心して歩行できます。
私は反時計回りに行きましたので、そのルートを紹介します。
大台ヶ原・東大台コース紹介
大台ヶ原駐車場〜大蛇嵓(90分)
駐車場から大台ヶ原ビジターセンター脇の道を通り、大蛇嵓(だいじゃぐら)展望台を目指します。

整備された土の道を歩きます。
しっかりと踏み固められており、歩きやすいです。
シオカラ谷に行くために、道を下っていきます。

シオカラ谷には吊り橋があり、なかなかの迫力があります。
下には川が流れており、水辺の休憩スポットとして休まれている方もいらっしゃいました。
ここからは上りが始まり、大蛇嵓に向かいます。

道中霧がかかり、若干視界が悪くなってきました。
大台ヶ原の独特の景色は圧巻で、写真のように独特の植生が広がります。

大蛇嵓の岩場に到着しました。
ここが大台ヶ原で一番有名なスポットでしょう。
モヤがかかっていて見えませんが、この岩場の先の柵の先からは隣の山が見渡せる絶景スポットになっています。

こちらが柵のギリギリまで行った地点になります。
ちょっとわかりづらいですが断崖絶壁となっており、スリル満点な場所で、ドキドキしました。
高所恐怖症の方はあまり奥まで行かない方がいいかもしれません。
実際に奥まで行かず引き返される方もいらっしゃいました。
また足場も悪いので、こけないように足元には注意が必要です。
すこし危険な所ですが、一番記憶に残っている場所でもあります。
大蛇嵓〜正木ヶ原(60分)

舗装された地面を進み、正木ヶ原へ向かいます。
ここら辺は特に傾斜がなく、周りの景色を楽しみながら、リラックスして歩くことができます。

途中には聖武天皇の像があります。
この周辺の牛石ヶ原には、とある僧の方力で妖怪が封じ込められている、と言う伝説が残っています。

見晴らしの良い草原を先に進みます。

途中林の中を歩きます。
道の外の草は高く、今までと少し違った景色を見せてくれます。

緑の綺麗な沢に出会います。
映画やアニメーションに出てきそうな、とても美しい場所です。
せっかくなので一休みすることにしました。

携帯浄水器で水をろ過して、冷たい自然の水を楽しみます。
水を補給できる場所は貴重です。
これから先にはないので、水が減っている方はここで補給するといいでしょう。

沢を超えたあたりから、また景色が変わってきます。
木が立ち枯れして、むき出しの状態になった大台ヶ原独特のトウヒ林の景色が現れます。

トウヒ林を眺めながら進むと、正木ヶ原に到着します。
ベンチがあり、休憩できます。
正木ヶ原〜日出ヶ岳〜大台ケ原駐車場(80分)
※ここからは、私が道を間違えて一度駐車場に戻ってしまった関係で、写真の向きが進行方向と逆向きになっています。

木製の歩きやすいデッキを上って行きます。

やがて林を抜けて、山の尾根を上って行きます。

この写真は大台ヶ原らしくて、個人的に気に入っています。

またこの辺から鹿の群れをよく見るようになり、進行上に横切ると言う場面にも出くわしました。
鹿たちは警戒心が強く、こちらの姿や音を聞きつけると高い鳴き声をあげながらすぐに逃げてしまいます。


立派なトウヒの立ち枯れがあったので休憩しながら見つめました。
環境の変化や鹿の食害によるものと言われています。

この辺で天気は急変し、曇り空から雷が鳴り始め、強い雨が降り出しました。急いで雨具を着込みます。
雨に苦戦しながらも、日出ヶ岳に到着しました。

日出ヶ岳は大台ヶ原東大台コースの一番高い場所になります。
頂上近くの上りはきつく、木製の歩道があるにもかかわらず、なかなかの苦戦を強いられました。
ここが最後の踏ん張りどころです。

展望台に登ってみましたが、残念ながら周り一帯白くて何も見えません。
一息ついた後、駐車場へ向かって道を下って行きます。
これで、東大台のハイキングルートは終了です。
大台ヶ原山からの景色

帰り道に車で下山しているときに、空き地から撮った空の写真です。
大台ヶ原は1500メートルと高いところにあるため、空が近く、見上げる空とはまた違った景色を眺めることができます。
目線の下に雲がある景色は新鮮で、長い時間見入ってしまいました。
次は西大台ルートにも挑戦してみたいな、と思いながら帰路につきました。
帰りに寄りたい小処温泉
4時間ほどのトレッキングを経て、一汗かいて疲れた方も多いでしょう。
帰りに温泉に浸かってさっぱりしたい方には、小処温泉がおすすめです。
大台ヶ原からは最寄とはいえ少し距離がありますが、山深い秘境温泉として、全国から温泉好きが訪れる施設です。
設備は比較的新しく、アルカリ性低温泉の硫黄泉の露天風呂からは、自然豊かな山々の景色を楽しめます。
営業時間 午前11時~午後6時
営業日 土・日・祝のみ
入浴料 大人700円、小学生350円(3歳〜小学生)
訪問前に、下記HPで営業状況を確認してください。
まとめ

大台ケ原・東大台ウォーキングコースの紹介でした。
高山ゆえの独自の景観は非日常的で、常に景色を楽しみながら歩くことができました。
高低差は少なめのため、体力に自信のないウォーキング初心者の方にもおすすめです。
歩行路は舗装されているため、ウォーキングシューズでも十分歩くことができます。
あなたも関西の絶景が楽しめる、大台ヶ原を歩いてみませんか。
参考書籍
日帰り山あるき関西をルートの参考にしました。
地図
〒519-2634 三重県多気郡大台町大杉
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